【ゴルファー向け】スイングスピードを上げるために優先的にトレーニングすべき部位
- ゴルフのスイングスピードを高めるトレーニングを知りたい!!
- だけど、どの部位をトレーニングしたらいいのかわからない…
といったことにお悩みのゴルファーさんはいらっしゃいませんか?
本記事を読めば、
スイングスピードを上げるために優先的にトレーニングすべき部位
がわかります。
本記事は、スイング中の筋肉の活動を調べた文献(Henriëtte V. Loockら 2016) に基づき、トレーニングコーチである著者の考えをまとめたものです。
目次
- ○ 【ゴルファー向け】スイングスピードを上げるために優先的にトレーニングすべき部位
- ○ スイングスピードを上げるために優先的に「股関節と体幹部」をトレーニングすべき
- ・スイング中の上半身・下半身の主要筋群における筋活動
- ・優先的にトレーニングすべき筋群
- ○ まとめると「股関節と体幹部」をトレーニングすべき
- ○ まとめ
【ゴルファー向け】スイングスピードを上げるために優先的にトレーニングすべき部位
運動中に発揮される力は、主に筋肉が発揮する筋力です。
単純に考えて、ゴルフのスイング中に活発に活動する筋肉が、より大きな筋力を発揮できればスイングスピードは上がるはずです。
大きなスイングスピードには柔軟性、各部の連動性などの要素も関係していますが、本記事では中でも重要と考えられる筋肉(そして、発揮される筋力)にフォーカスしています。
スイングスピードを上げるために優先的に「股関節と体幹部」をトレーニングすべき
結論として、スイングスピードを上げるために優先的にトレーニングすべき部位は、
「股関節と体幹部」
だと考えます。
これは、文献内で紹介されている、スイング中の上半身/下半身の主要筋群における筋活動を調べたデータ(Bensted-Smith D. 2012)に基づいて導いた答えです。
股関節には、
・お尻
・もも
が含まれます。
体幹部には、
・胸
・背中
・腹部
が含まれます。
これらの部位の筋群が、スイング中に大きな力を発揮しており、この筋群をトレーニングすればスイングスピードが向上すると考えられます。
スイング中の上半身・下半身の主要筋群における筋活動
上の表は、ダウンスイング中の上半身・下半身の主要筋群における筋活動を示しています(Bensted-Smith D. 2012)。
※ダウンスイングとは、クラブを振り下ろしてボールにインパクトするまでの局面で、パフォーマンスを左右する一番重要な局面と言われています。
表にあるような筋肉が、ダウンスイング中に活発に活動しているということです。
ただ、運動は一つの筋肉で起こるわけでなく、その運動に関わる筋肉のグループ(筋群)が協力して働きます。
したがって、一つの筋肉を鍛えるいというよりは、その動きに関わる筋肉のグループ(筋群)を鍛えることが重要だと考えられます。
優先的にトレーニングすべき筋群
先程の表をもとに、「スイング中に活発に活動している筋群」を簡潔にまとめると、
①肩関節を内に捻る筋群
②背中を伸ばす筋群 + 腹部の筋群
③股関節を外に開く筋群 + 内に締める筋群
④股関節と膝関節 を伸ばす筋群
の4つにまとめることができます。
ズバリ、この4つが〈優先的にトレーニングすべき筋群〉です。
ここに挙げた動作を含むエクササイズによって、上記の筋群はトレーニングされる可能性が高いです。
例えば④股関節と膝関節を伸ばす筋群には、
・スクワット
・デッドリフト
・ランジ
などのエクササイズが有効でしょう。
これらのエクササイズでは、股関節と膝関節が曲がった状態から伸びます。
したがって、股関節や膝関節を伸ばす動きに関わる筋群をトレーニングすることができます。
各エクササイズによって刺激される筋をある程度把握されている方は、この4つの筋群をベースにトレーニングプログラムを組むといいと思います。
まとめると「股関節と体幹部」をトレーニングすべき
ここまでの話を、シンプルにまとめると「股関節と体幹部」のトレーニングをすることでスイングスピードが向上する可能性が高いと言えます。
なぜなら、「股関節と体幹部」をトレーニングしていけば、先程の①〜④の筋群がトレーニングされる可能性が高いからです。
股関節には、
・お尻
・もも
が含まれ、
股関節をトレーニングするエクササイズは、
・スクワット
・デッドリフト
・ランジ
・ヒップリフト
・ヒップアダクション
などが挙げられます。
体幹部には、
・胸
・背中
・腹部
が含まれており、
体幹部をトレーニングするエクササイズは、
・腕立て伏せ
・懸垂
・プランク
・シットアップ
・ロシアンツイスト
などが挙げられます。
また、これらの部位をトレーニングしておくと、スイングの安定性や腰痛の予防にもつながる可能性もあります。
怪我を少なくし、効率的に上達するためにも、練習だけでなく身体的な強化も忘れずに実施していきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、スイング中の筋肉の活動を調べた文献に基づいて、スイングスピードを上げるために優先的に鍛えたい部位を解説しました。
〈優先的にトレーニングすべき筋群〉
①肩関節を内に捻る筋群
②背中を伸ばす筋群 + 腹部の筋群
③股関節を外に開く筋群 + 内に締める筋群
④股関節と膝関節 を伸ばす筋群
さらにシンプルにまとめると、
スイングスピードを上げるために優先的にトレーニングすべき部位は「股関節と体幹部」となります。
トレーニングには、怪我の予防効果も期待できます。
練習だけでなく、トレーニングにもこだわることで、これまで以上のパフォーマンスが発揮できるようになるでしょう。
冒頭に述べたように、大きなスイングスピードには、細かな筋肉、柔軟性、各部の連動性などの要素も関係していますので、筋肉を鍛えるだけでは不十分です。
柔軟性や連動性などの改善エクササイズも実施することで、より大きな変化を起こすことができるでしょう。
本記事が、みなさんの充実したゴルフライフのお役に立てば嬉しいです。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
【参考】
・
Henriëtte V. Loock, MSc Jeanne M. Grace, PhD Stuart J. Semple (2016) Core Muscle Activation and Activity Throughout the Different Phases of the Golf Swing: A Literature Review, Strength and Conditioning Journal Volume 35, Number 5, pages 1-15.
・Bensted-Smith D. Welcome to the wonderful world of golf. Golf mechanics.
Club-Physio.net 1: 1–106, 2012.