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【2022年1月】プロ野球選手の自主トレで見た『プロフェッショナル』の姿

こんにちは、S&Cコーチ/パーソナルトレーナーの小川航平です。
2022年1月、プロ野球(NPB)選手のオフシーズンの自主トレを3日間、見学する機会をいただきました。

プロ野球選手の自主トレを見るのは初めてであり、非常に学ぶことが多かったので、感想をブログに書き残しておきたいと思います。

3日間で感じたことをまとめると、

プロ野球選手といえど、取り組んでいることはいたって普通で、特別なことはしていない。ただ、細部にこだわり、徹底している。

という文章になるでしょう。

私の感想文のような内容になっておりますが、一読していただけると嬉しいです。

目次

プロ野球選手の自主トレで見た『プロフェッショナル』の姿

まず、私が見学させていただいた自主トレの簡単な概要を説明します。

今回の自主トレグループには、プロ野球選手6名が参加されておりました。
プロ野球の第一線で20年近くご活躍されているベテラン選手や中堅年代の選手、プロ入り2,3年目の若手選手など、さまざまな年代の選手が参加されていました。

個人的な話をすれば、中学生の頃にTV中継で観ていたような選手の方がいらっしゃり、ものすごく緊張しました。

ただ、はじめから大変フレンドリーに接してくださり、「え、めっちゃ普通に話しかけてくるやん…」と驚きました(笑)

自主トレのスケジュールは?

さて、私が見学させていただいた自主トレグループのスケジュールとしては、「練習 x3日」を1クールとしており、1日休養日を挟み、それを数回繰り返すという形式で実施されておりました。私は「第一クール」の3日間見学させていただきました。

練習は、
▼ジム
・個人ルーティン
(・レジスタンストレーニング)

▼グラウンド
・w-up
・コンディショニングプログラム
・技術練習
・補強(トレーニング)

といった流れで進行します。
練習後は、食事を取ったり、自由行動になったりします。

私はオフシーズンの自主トレに関してほとんど無知でしたので、こういった流れを体験できただけでも、大変勉強になったと感じます。

印象に残った3つの出来事

ここから本題になります。

3日間、選手やスタッフのみなさんと行動をともにして、『プロフェッショナル』を感じる場面に何度も遭遇しました。

その中でも、印象的だった出来事が以下の3つです。

①自動販売機で飲み物が詰まった、その時に...
②ジムでのルーティーンワーク
③『バイタリティー』がすごすぎる…

①自動販売機で飲み物が詰まった、その時に...

まず印象的だったのが、選手がホテルの自動販売機で飲み物を購入しようとして、飲み物が詰まってしまった時の話。

ある選手が、ホテルの自動販売機で飲み物を購入。
しかし、飲み物が取り出し口の奥の方で詰まってしまいました。

それを取り出そうと、その選手は奥の方へ手を突っ込みました。

その瞬間に、近くにいた別の選手が
「あっ!手、危ないですよ!」
と咄嗟に注意した。

という出来事。

文字に起こすと「なんだ、そんな事か。」と思うかもしれません。

ただ、この時の私は、ホテルに戻って完全に気を抜いてしまっていたので、この一瞬の出来事で「ハッ」としました。

ここでは、プロアスリートの『危機管理意識の高さ』を感じました。
この『危機管理意識の高さ』は、高校球児や大学生野球選手とは比べ物になりません。

しかも、凄いなと思ったのは、近くにいた別の選手が「危ないですよ!」と声をかけたこと。(この選手は、10年以上プロの第一線で活躍されている選手)
プロアスリートといえど、チームメイトの身体にまで気を遣える選手はなかなかいらっしゃらないのではでしょうか?

ふとした瞬間にもアンテナを張れる選手の『危機管理意識の高さ』には、感動すら覚えました。

それと同時に、アスリートの身体に携わる人間として、ここまでの『危機管理意識』を持てていなかった自分自身を恥ずかしく思いました。
前述のように、私はホテルで完全に気が抜けてしまっていたのです。

やはり、アスリートにとって「身体」は何よりも大切。
避けられる怪我は、徹底して先回りして避ける。
そこに携わる人間として、選手以上の『危機管理意識』を持っていなくてはいけない、と強く思いました。

このような『危機管理意識の高さ』は、以下のような場面でも見られました。

・ウォーミングアップエリアのサーフェイスの状態が良くなく、選手から「もう少しこっち(状態の良い場所)でやろうよ。」と提案
・感染症対策が甘い飲食店に入った時、店員の行動を見て、「これは危ないかも」と感染リスクの高い食品を避ける
・練習中以外のマスク着用を、選手自らが呼びかける
など。

アスリートに携わるのであれば、「これでもかっ!」ってくらい危機管理にアンテナを張り巡らせなくてはいけないと思いました。

②ジムでのルーティーンワーク

1日の練習は、ジムからスタートします。

ジムに到着すると、選手は誰に何を言われるでもなく、各々のルーティンワークに取り掛かります。

バイクを漕ぐ選手、ストレッチをする選手、アクチベーションドリルを行う選手など、内容は様々。

一つ終わると、流れるように次へ移っていきます。
黙々と、時に近くの選手とコミュニケーションを取りながら。
当然、ダラダラしている選手は1人もいません。

この光景を見ていて、各選手の『ルーティン』が確立されていることが読み取れました。

私は高校や大学のチームにおいて、全体アップの前に、いわゆる「個人アップ」の時間を設けることがしばしばあります。
しかし、必ずといって良いほどダラダラとした雰囲気が漂います。

思いついたストレッチをとりあえずしてみたり、同じ姿勢のままずっと隣の選手と喋っていたり。
こうなる理由の一つは『自分がなりたい姿』がイメージできていないからだと、私は考えています。

しかし、プロ選手たちは違いました。
『自分がなりたい姿』が明確にあり、そのために『自分がすべきこと』がわかっているように見えました。

それが、『ジムでのルーティンワーク』という形でに表れていたと思います。

先輩選手を待たせてでも、最後まで自分のルーティンをやり切る若手選手もいました。
『自分がすべきこと』を、とことん追求しているからこそできる行動だと思います。

アスリートに携わる人間としては、選手の『自分のなりたい姿』を一緒に描いて、そこに必要な知識や技術を教えることが大切なのでははないかと感じました。

③『バイタリティー』がすごすぎる…

プロ野球選手と3日間行動を共にし、アスリートの『バイタリティー』の凄さにビビりました。

朝6:30というそれなりに早い時間に朝食。

7:40にはジムセッションがスタート。

そこから14:00近くまで、グラウンドでトレーニングと練習。
グラウンドでのトレーニングでは、中距離のハードなランニングメニューが毎日のように入ってきます。
1回だけ一緒に走らせてもらいましたが、全体の1/4の量で私はギブアップしました…(顔面蒼白)。

それが終わると、ホテルで数時間の休憩になります。

そして、19:00頃から夕食なのですが、これまた量がものすごい。
ハードなトレーニングをしている分、リカバリーのために大量に食べます。

ある選手が『食い力(くいぢから)』というワードを使っておりましたが、やはり食べる能力もアスリートにとっては大切なことなんだと再認識しました。

毎日こんな生活を繰り返せるプロ野球選手のバイタリティーに、驚きを隠せません。

ちょっと体が強い人ではありません。
もちろん、個人差はあるでしょうが、一般の人とは別次元のバイタリティーだと思いました。

きっと、このくらいのバイタリティーがないと、プロ野球のハードなスケジュールの中で生き残ることができないのでしょう。

こういった選手に携わる人間としては、『アスリート』という特殊な人間たちを相手しているという認識を持つ必要があると思いました。

まとめ

移動中の飛行機から見えた富士山

今回の3日間で感じたことを書き出したらキリがないので、特に印象に残った出来事を書かせていただきました。

まとまりのない文章になってしまいましたが、総括すると、

“プロ野球選手といえど、取り組んでいることはいたって普通で、特別なことはしていない。
ただ、細部にこだわり、徹底している。”

これが『プロフェッショナル』なんだと思いました。
これは選手だけでなく、そこに携わるスタッフさんも同じです。

そういった点で、私には「まだまだ『プロ意識』が足りていない」と痛感した3日間でもありました。

だからこそ、もっともっと精進していこうと思えました。

最後に

今回、貴重な機会をいただきまして、選手・スタッフの皆様には感謝しかございません。

皆様の自主トレが無事に終えられること、そして、選手の皆様のシーズン中のご活躍を心よりお祈りしております。

本当にありがとうございました。

次にお会いする時までに、皆様のお役に立てるような人間に成長しておきます。